| 産経新聞 2004年7月5日(月) 8面 12版 特集から転載。 |
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Watch- 特集部 村島有紀 |
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自転車の親子2人乗り
自転車の親子2人乗り、3人乗りをよくみかける。さらには背中に乳児をおんぶして4人乗りというのもある。 自転車同乗中の乳幼児が死傷する件数はこの10年で2.2倍(財団法人・交通事故総合分析センター調べ)に増えても、自転車に頼らざるを得ない事情がある。幼い命を守るには乳幼児のヘルメット着用を法律で義務付けるのが最低限必要だろう。
乳幼児の死傷者数 10年で2.2倍
■SGマークの意味 6歳未満や就学前の子供を1人同乗させることは、各都道府県の規則や細則などで認められている。ハンドルの間に取り付ける「前のせ型」tp、荷台に乗せる「後ろ乗せ型」の補助椅子が売られるようになったが、「子供の足が車輪にはさまれた」といった事故が多発し、通産省(現経済産業省)の外部団体である製品安全協会は昭和60年、2歳以上を対象とした補助椅子の安全基準を設け、その基準を満たした製品にはSG(セーフティグッズ)マークを交付するようになった。
対象が2歳以上となったことについて同協会の三枝繁雄・上席調査役は「自分で姿勢を制御できるようになる2歳以上でないと、安全性を確保できないという判断があった。」だが、「当時からハンドルの間に補助椅子をつけて1歳ぐらいの乳児を乗せるお母さんはいた」(三枝上席調査役)という認識はあり、事実上、2歳未満の子供の安全性は置き去りにされた。
生後10ヶ月前後から使える、前かご一体型自転車(従来のかご部分を補助椅子として使用)が売り出されたのは13年前だ。 SGマークの対象となっていないが、前輪が後輪より小さく、ハンドルが大きくU字型に下がっている構造で、がにまたにならないなどの特長が受け、国内では年間10万台市場になったと言われる。
この一体型は”安全性”が高いように見える。ただ、出会い頭の衝突事故で前に座った子供が最も被害を受けやすい▽自転車が傾き子供が落ちそうになっても自分の腕で受け止めることができない−という盲点もある。
■頭部へのケガ多発 脳外科医の宮本伸哉さん(40)は救急指定の都立墨東病院に平成13年から今年3月まで勤務し、自転車で転倒して救急搬送される乳幼児が多いことに愕然とした。
脳内出血や頭蓋骨骨折で、昏睡状態に陥った2、3歳児が、立て続けに運び込まれる。 「補助椅子に子供を乗せ、離れたすきに自転車ごと倒れた」「自転車を押し歩いていたところ、凍結した路面でスリップした」
原因は親のちょっとしたミスや油断が大半だが、数時間遅ければ命を落としていたケースも少なくないという。 交通事故総合分析センターによると、昨年、2329人を記録した自転車に同乗していた乳幼児の事故で年齢別で最も多いのが2歳児で575人、次に2歳未満の511人。年齢が低いほど、頭や顔をケガする割合が高く、2歳未満では76%に達し、乳幼児を同乗させる危険性が改めて浮き彫りになった。
ヘルメット着用の義務化必要
■自転車の送迎前提 核家族では子供を自宅に残して買物にいくこともできない。 仮に車を所有していても、都市部の保育園や幼稚園では、駐車場所の問題から車での送迎を認めていないところも多く、「自転車で30分の保育園なら入園に空きがあります」と自転車での送迎を前提としている自治体もある。
東京墨田区の乳幼児を持つ保護者らが、子供乗せ自転車の安全性を考える「ママチャリ・子どもを守る会」(堺井ゆき世話人)を立ち上げた。6月19日に開かれた会合では、保護者からは「保育園の送迎で子供を前後に乗せられる自転車は欠かせない」という不必要論とともに、「スピードが出ないだけでバイクと同じ。ヘルメットをしないのはおかしい」とヘルメット着用の義務付けを求める意見が出された。
幼児用ヘルメットを作っているのは、国内では大阪府東大阪市に本社を持つ「オージーケー販売」一社だけ。当初は売れず、最近になってやっと需要が出てきたところだ。
こうした声に後押しされるようにヘルメット着用は、国会でも注目され始め、一度見送られた着用を義務付ける道路交通法改正案が、参院戦後の臨時国会に民主党から再提出される見通しだ。欧米並みのヘルメット着用だけでなく、乗り方講習や危険性の周知などが必要となっており、国会での真剣な議論を期待したい。
増えつづける自転車同乗中の事故死。乳幼児にヘルメットの着用を義務付ける動きが出始めた。=東京都江東区 |
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子供を乗せて自転車に乗るには、一時停止などの交通シルールを守ることなどの注意が必要だ。
消費者アドバイザーらでつくる「子育てグッズ&ライフ研究会」の薮田朋子さん(41)に安全に乗るためのポイントを聞いた。 |
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子供を乗せるときには通常よりサドルの位置を低くして両足が地面にぴったりとつくぐらいします。服装はパンツルックがお勧め。ポイントは、子供を最後に乗せて最初に降ろす▽子供が乗ったらハンドルを離さないこと。鍵を外したり荷物を降ろしている間に、子供が補助椅子から立ち上がり、自転車が倒れることもありますから。
子供にはヘルメットをかぶせ、サンダルではなく靴をはかせる。ヘルメットは頭にフィットし、下面が水平になった状態で、あごのベルトを大人の指が2本程はいる長さに調節します。
走行中に多いのが出会い頭の事故やスリップ。左側通行と交差点一旦停止はママチャリでも大切。段差や急カーブ、見通しの悪い場所は自転車を降りて押し歩いた方がいいでしょう。
自転車が傾き、自分の腕で支えられなくなったら、近くの人を大声で呼び、助けてもらうことも必要でしょう。 |