わ た し た ち の 活 動

2004/6/15(火)

代表の堺井裕貴が、墨田区議会にて質問しました。

質問、答弁の全文はこちら→(HTML)

以下、さかいゆきOnlineより、ママチャリの危険性についての部分のみの抜粋です。

 (前略)
 さて、次に、自転車の中でも特に、補助いすをつけた自転車に子供を乗せて走ることの安全性について、いくつかのことを述べたいと思います。
区内、区外限らず、子供さんを自転車の前や後ろに乗せて走るお父さん、お母さんの姿は日常的な景色となっています。
時には、二人以上のお子さんを一度に乗せて走っている姿もあります。しかし、これは本来、東京都の道路交通規則では認められておりません。規則では、自転車に補助いすを付ければ6歳未満の子供ひとりを乗せて走ることができるとあります。

皆様がたはこうした光景をどのようにご覧になるでしょうか?
私自身は、実は、子供がいないときは「ああいった自転車にまだ小さい子供をのせて、ふらふらと走るなんて、見るからに危ない。なぜやめないのだろう。」と思っておりました。
しかし、実際に子供がいて、歩くとすれば子供では歩けない距離だけれども車で行っても駐車するところがない。という所にいく場合には自転車を利用することになりました。車を運転されない方が子供つれで遠くに行くときはなおさら必要な移動手段だと思います。

ところが、この自転車に子供を乗せて走るということは、思っていた以上に難しいのです。子供の体重で自転車のバランスが一人の時とは変わり、ぐらぐらとしてしまう。ある程度スピードが出れば、反対に安定するのですが、止まっている状態から発進するときは、自転車に乗っている本人からすれば、大変緊張している時間です。
また、道路で歩行者とすれ違うとき、障害物をよけるときにハンドルをきる。そのときバランスのとり方が、一人で運転しているときとは段違いに難しい。

また、自転車の補助いすにこれから子どもを乗せるとき、乗せてから、ベルトをしたり、足の巻き込み防止バンドをしたりという準備をしている時間に自転車のバランスが崩れ自転車が倒れそうになる。私自身、そういったひやりとする体験をし、これは、他のお母さんがたはどういう体験をしていらっしゃるのだろう、統計的に見て事故の数はどうなのだろうか?と調べてみました。

まず、公的機関で既に何か調査をしていないかと調べてみますと、全国の警察のデータを取りまとめている警察庁の回答では、“複数の物が乗車する自転車による人身事故件数”はデータとしてあっても、それが、大人同士の二人乗りも、補助いすをつけて子供をのせていたケースも、混ざりあっているため、正確なことはわからないということでした。

そこで、「財団法人交通事故総合分析センター」での調査を見ますと、自転車に同乗中の6歳未満の死傷者数は平成15年には約2330人と10年前の2.2倍に増えていることがわかりました。しかし、この調査も交通事故として届出があったものだけの数字で、子供をのせて自転車を運転していてこけた。という相手のいない単独事故は含まれていないということです。

公的な調査では、現在のところ単独事故が、把握されていないので、約60名の方に私が簡単な聞き取り調査をしたところでも、補助いすを付けて子供を自転車に日常的に乗せている人のうち、6割以上の人が子供を乗せながら転倒した経験がありました。
また、転倒まで至らなくとも、バランスを崩すなど危ないと思う体験をした人は、9割以上でした。

親が運転する自転車が転倒した結果、前や後ろに乗っていた子供さんたちはどのような怪我をするのか、都立墨東病院の脳神経外科の宮本伸哉医師の調査によると、23区内の幼稚園児の保護者580名の回答では、怪我の場所は顔面、と頭部が44パーセント、脚などの下肢が34パーセントで、その6割は切り傷などで終わっていますが、重篤な例では、頭蓋骨陥没骨折や硬膜外血腫で開頭手術をしなければならないケースもありました。

実際、墨東病院では、年間、約150件も、乳幼児が自転車事故で頭部を強打して救急車で運ばれたということです。墨東病院に運ばれるのは、大部分が墨田区内と近隣の深川地区などということですので、この数字は大変大きい意味を持つと思います。宮本医師にお会いしましたが、現場の実感として、自転車での乳幼児の受難が増えていると危機感を持っていらっしゃいました。また、区内ではありませんが、自転車の補助いすに乗っていた子供が、自転車の転倒によって死亡したとのニュースも最近でも伝えられているところです。

子供が自転車の補助いすに乗せられた位置は、大人に移し変えてみると、大変な高さです。その位置から補助いすのシートベルトにくくり付けられているので、自転車が転倒すると足から着地することもできず、直接頭を地面に打ち付けてしまうのです。

それでは、対策として何が有効かと申しますと、やはり頭部を守るための幼児用ヘルメットの着用です。着用の効果については、総務庁によると、実際の事故事例をもとに推定したところでは、着用しない場合に死亡する危険性は、着用した場合の3-10倍にもなるということです。

アメリカのカリフォルニア州を始め、14歳以下の子供が自転車に乗るときはヘルメットの着用が義務付けられている国もありますが、日本では国の法律で義務付けはされていません。自動車のシートベルトやオートバイのヘルメットが大きな効果をあげているのに対して、これまで対策はなおざりにされてきました。

しかし最近になって国としても動きだしています。
先日6月2日に行われた衆議院内閣委員会で民主党の山花郁夫議員の質問に対し、小野国家公安委員長は「これはまさに放置しておけない重大な問題であると認識しております。
(中略)ヘルメットの件に関しましても、既に警察庁におきましては、関係団体あるいは有識者との意見交換をもうはじめておりますので、そういった観点から、検討を進めるように警察庁を督励してまいりたいと考えております。」との答弁がありました。

それとは別に、墨田区としても、自転車に乗せられた子供、乳幼児を守るという観点から、国としての法整備を眺めるのではなく、子供の安全確保に関して先進的な自治体として対策をとることを提案いたします。区長にお伺いしますが、これから進むであろう、国レベルでの乳幼児向けの自転車安全対策に先駆けて、区として、なにかアクションをとられることをお考えにはならないでしょうか?そういったほかの地域にはない施策のひとつひとつによって、区が真剣に子供たちの安全を考えていると明らかにできると思います。

さて、具体的にはまず、子供を自転車の補助いすに乗せることは規則で許されてはいても、大変危険なリスクを伴うことの周知、そして、乗せる場合には幼児用ヘルメットを子供に被せることで、怪我の防止に役立つことの周知を保育園や幼稚園を通じてできないでしょうか?
私が簡単な聞き取り調査を行った結果でも、怪我の防止のために子供さんにヘルメットを被せようと思いますか?の質問に、「考えたこともなかった。」という答えが、即座に返ってくるケースが3割ほどありました。

保育園、幼稚園に子供さんを通園させている保護者のほとんどといってもいい多数は、自転車用の補助いすを購入していると聞きます。まずは、それらの施設を通じての通知が効果的かと思われます。

幼児用のヘルメットは、現在のところ2000−3000円程度で、町の自転車屋さんや、量販店、インターネットで売られています。重さは最軽量のもので、150グラムほどと幼児が被っても負担にならないよう、驚くほど軽いものもあります。いざというときには、ヘルメットが壊れることで、衝撃を吸収する仕組みです。

ただ、ヘルメット着用が望ましいことの周知をしても、実際に子供さんが被ってくれるのか分からないので買わない、とか、親として面倒だという理由で着用させないという保護者が、私の調査でも全体の半数にのぼりましたので、まずは現物を見て、お子さんに被らせてあげようと保護者のかたに思っていただかなければ始まらないのも事実です。

そこで、区長にお尋ねしますが、墨田区内で一箇所か2箇所程度の保育園または幼稚園で、保護者のご協力を得て、園児にヘルメット着用のモニタリングを行なうことは可能でしょうか?幼児なのでいやがるのではと不安になっている保護者の方々にも、それほど大変なことでもないことが分かっていただけると思います。それとともに、国レベルでの着用義務化議論が始まった際に、幼児にヘルメットを被ってもらうためには、どういう点が困難なのか、何が必要なのか、墨田区での取り組みと結果が参考にされるはずです。

さらに、ヘルメットだけでは防ぐことのできない、転倒した際の下肢の怪我についてです。現在、大手の自転車メーカーから、補助いすと自転車が初めから一体となっていて、バランスが考えられた、ふらつかない自転車が販売されています。この自転車でかなりの程度まで安定して走ることができますが、それ以上に安定性の高いものはまだ開発されていません。自転車の形状も、必ずしも二輪でなくてもいいという利用者からの声もいただきました。

区長にお伺いしますが、墨田区はものづくりの町として、誇るべき技術者を抱えています。子供を乗せても倒れにくい自転車の開発に対し、区で補助金をだすことを全国に先駆けて表明できないでしょうか?メーカーに対して商品開発のための補助金をだし、商品として完成した後、利益が出れば補助金部分は返還していただくなどの方法が取れないものでしょうか?先ほど申しました大手メーカーの自転車は価格が5万円程度と高額にも関わらず、13年間にも渡って、同社の売り上げナンバーワンの地位にあります。消費者が安定して走ることができる自転車を求めていることは間違いありません。

さらに、初めてこのような補助いすつき自転車にお子さんを乗せてこれから走ろうとするかた向けに区内の公園などで、乗り方の講習会を開くことは可能でしょうか?
一人で乗るときとは、扱い方が全く違う、子供さんを乗せたままスタンドで自転車を立ててその場を離れると、子供さんが動くので自転車が倒れて怪我をする可能性があることの教育などは、どこかで必要と思います。

また、講習会で、こういった補助いすつき自転車とは無縁の方にも幼児に代わる重さをつけて乗っていただくことで、なぜ、子供を乗せた自転車はぐらぐらしながら走っているのかが分かっていただけると思います。

私の調査では、年配のかたからは、「自転車は危ないのだから、親子の絆のためにも、手をつないで歩きなさい。」というおしかりがありました。しかし、危険とわかりつつ、どうしても自転車を使わなければならない理由があります。

自転車問題は区内の保育園の地域的な配置の不均衡とも絡み合っています。墨田区の南部に保育所が不足しているため、北部の開いている保育所に、やむを得ず自転車で通っていらっしゃるケースがかなりあると聞いております。ある保育園では、自転車で20-30分かけて通ってこられるかたもいらっしゃいます。区の子育て支援課では、特に、“自転車通園は禁止”などの規則や決まりはないとのことです。歩いて通園できない距離の保育園に無理をお願いして自転車で通っていただいているのですから、自転車通園の安全確保については、より積極的に対応していただければと思います。

ある、20代の女性からのご意見です。「年子のこども二人をのせて毎日自転車に乗っています。車は沢山走っているし、子供も重くなってきてバランスが悪いし、いつか事故がおこるんじゃ・・・と不安に思いながら毎日保育園に通っています。でも、乗せるしかありません。」今まで表には出てこなかった保護者の切実な声を現していると私は思います。どうか、区長のご決断で墨田区が発信地となって、日本中のこうしたお母さんがたを救っていただきたい。と私からお願い申し上げます。

・2004/6/15・
 
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